No.15 ホームシックから学んだこと
【ホームシックから学んだこと】
フランスで生活を始めて半年弱、私は"ホームシック" とやらになりました。
聞いたことはあるけど、なんやろうみたいな世界に、 自分自身が入り込んでしまったのです。
ホームとはつまり、日本のこと。
これまでも、 何度か日本に帰りたいと思ったことはあった気がします。やけど、 良くも悪くも基本的に物事をすぐに忘れる私は、 数時間経ったり寝たりしたら忘れていました。
やけど今回は、1週間くらいは続きました。そして、 これがホームシックなんやと実感しました。
今回は、私のホームシック体験談を書こうと思います。
ホームシックになればどうなってしまうのか?
人によりけりやと思いますが、私は"無気力感"と"人恋しさ" に苛まれました。
故郷を思って毎晩枕を濡らすー。
とかそういうマンガチックなことは私はありませんでしたが、 とにかく何もやる気が出なくなりました。 そうすると考えることは、「あぁ日本に帰りたいな」 という悪循環と、「というかそもそもなんで私はここにいる?」 みたいな絶望感です。 自分のフランスでの存在価値がないように思えるんです。
あとは、"人恋しさ"。自分と連絡を取ってくれる人、 会ってくれる人が神様のように思えるんですよね。 一見良さげな感じもしますが、 行き過ぎると変な方向に行ってしまいます(笑)
私はわりと一匹狼タイプなので、 どこでも全然1人で行けるし平気なタイプやけど、 この時ほどひとり旅が辛いと思ったことはありませんでした。
ホームシックの原因は何?
大きく分けて2つ理由があるように思います。
1つ目は、「生活にできる空白」
留学に行った経験のある友達は、 渡航後数ヶ月でホームシックになったりしてました。でも私は、 半年経ってから。なぜなのか?それは半年間ずっと、 何かしら追いかけるものが目の前にあったから。 最初はフランスにいること自体が新鮮やった。そっからは、 毎日仕事に追われたり、仕事をまた探し始めたり、 心身ともに休む暇がなかったから。でも私は今、 仕事探しも終えて完全なる夏休み。旅行はめっちゃするけど、 それでも目の前に迫るものがない状況。その空白が、 私をホームシックに追いやりました。
2つ目は、「単なる時間の問題」
つまり長くいると、 生活に緊張感とか新鮮味がなくなってくるんですよね。 生活に緊張してた時は、 どこ行くにしろ何やるにしろ気が張るので、それだけで疲れる。 そうすると、1日の中にメリハリが出てくる。新鮮味があると、 何してても楽しい。買い物とか街歩きをするだけでも楽しい。 でも慣れてくると、そんなことでは心踊らなくなるんですよね。 つまり、 時間が経てばホームシックって訪れるものなんやなと思います。( まぁホームシックがなかった人も何人も知ってますが...)
ホームシックの対処法
私の場合、何が1番恋しかったかと言うと、"日本にいる友達" でした。友達だけでなく、アルバイト先の先輩とかも。つまり、 日本では毎日当たり前のように会っていた人たちを1番恋しく思い ました。(家族ももちろん会いたいよ。 やけど私は1人暮らしをしてたので、 家族離れには慣れていました(笑)) 特に私はワーホリビザで1人で渡航してきた上に、 学校に行ってないので毎日顔を合わして親しくする相手もおらず、 余計に"人" に対してホームシックを抱いてしまったのだと思います。
なので私は、とにかく会いたい人と連絡を取りました。 電話もしました。それって、 もっと会いたくなるし逆効果じゃない?と思うけど、 そういう人は私を励ましてくれるし、私の味方でいてくれるし、 何より「帰ってくるの待ってるから」と言ってくれます。 それが何より心の支えになって、あぁまた頑張ろう、 もうちょっと踏ん張ろうって思わせてくれるんです。
あとはとにかく、やるべきことやりたいことに必死になりました。 私の場合は、目の前にある旅行を全力で楽しんだり、 放置してた卒論について考えたりしました。 新しいことを始めるのも良いと思います。
ホームシックから学んだこと
とにかく、当たり前のものは当たり前じゃないということ。
そして、私は改めて日本が好きなんだということ。
当たり前に友達や家族がいたこと。
当たり前に日本食を食べていたこと。
当たり前に日本語を話していたこと。
それらは全て、自分の中の奇跡やったんじゃないかと思う。 世界はもっと広いんやから。
特に、友達はほんとに大切やと改めて実感した。
そして、今まで海外旅行は何度か行ったことはあるけど、 それだけでは気付かなかった日本が好きやという気持ち。 日本は嫌なところも、まだまだ山積みの問題も沢山あるけど、 それでも帰りたいなと思えたのは、 1つ自分の中の気付きかもしれない。
これから長期で海外に行く人に向けての申し送り
自分はホームシックになるかもしれない。 と常に思っておくのが大切かもしれません。私は、 自分はホームシックになんてならないと思っていました。 それくらい私は、 ここでの生活やフランスのことが好きな自信はありました。 それは決して間違ってはいません。ただ、 数十年間生まれ育った国への愛なんて、 当たり前すぎて自分にはなかなか分からないのです。
この時期から、留学やワーホリで海外渡る方は多いと思います。 海外で生活することは、未知なことが沢山で本当に楽しいです! でも一方で、いつかつまずくこともあります。 それでもそんな時は、 自分の故郷に応援して待ってくれている人がいるということを忘れ ないで、乗り越えてください :)
以上。